クモが家に出る理由と、気になるときの対処
家にクモが出るのは、エサになる小さな虫が室内にいるからです。クモは人を襲う目的で出てくるわけではなく、ハエや蚊、ゴキブリといった他の虫を食べてくれる存在でもあります。見た目が苦手で気になる気持ちはよくわかりますが、屋内でよく見るクモの多くは無害で、駆除一択ではなく「そっとしておく」という選択肢もあります。
なぜ家にクモが入ってくるのか、まずその理由から見ていきましょう。
家にクモが出る理由
クモは肉食で、生きた虫を捕らえて食べます。家の中にクモがいるということは、そのエサになる虫が室内にいるというサインでもあります。ハエ、蚊、コバエ、小さな羽虫、ときにはゴキブリの幼虫まで、クモにとっては獲物です。
つまりクモは、虫が集まる場所に引き寄せられて入ってきます。生ゴミのにおい、夜の照明に集まる小さな虫、湿気のこもった水回りなど、他の虫が好む環境はクモにとっても都合がよい場所です。クモが出る家は、その前段として別の虫が増えていることが多いわけです。
家の中でよく見かけるクモには、壁や床を素早く動き回って獲物を追うタイプ(網を張らない徘徊性のクモ)と、すみに小さな網を張るタイプがいます。どちらも基本的に人に対しては無害です。動き回るタイプは獲物を求めて部屋を巡回するので人目につきやすく、網を張るタイプは天井のすみや家具の裏など、人が手を出しにくい場所に陣取ります。出やすい場所が違うだけで、どちらもエサとなる虫がいるから居ついている、という点は同じです。
実は益虫という側面
クモは、家の中の害虫を食べてくれる益虫としての側面を持っています。
ハエトリグモのように室内を歩き回る小型のクモは、ハエや蚊、小さなゴキブリなどを捕らえて食べます。大型のアシダカグモはゴキブリを好んで食べることで知られ、見た目の大きさに驚かれますが、人を襲うことはなく、毒で人に害を与えることもありません。
クモは毒を持つものもいますが、その毒はエサとなる虫を捕らえるためのもので、人に向けて使うものではありません。屋内で見かける一般的なクモが、自分から人を刺したり噛んだりして害を及ぼすという報告は基本的にありません。昔から「家のクモは殺すな」と言われてきたのは、こうして害虫を減らしてくれる働きがあるからです。
ただし例外があります。屋外の物陰などで見られるセアカゴケグモは毒を持ち、咬まれると痛みや腫れが出ることがあります。これは益虫とは扱いが違い、見つけても素手で触らず、踏みつぶさずに処理してください。見分けに自信がないクモには、無理に手を出さないのが安全です。
それでも気になるときの対処
益虫だとわかっていても、見た目が苦手で家に入れたくない人は多いはずです。その場合は、殺さずに減らす方法から試してください。
- 紙コップとはがきなどでそっと覆い、外に逃がす
- 掃除機で吸い取る(手早く処理したいとき)
- すみに張られた網はこまめに払い、居つかせない
- 窓やドアの隙間、網戸の破れを直し、入り口をふさぐ
- クモ用の忌避スプレーを侵入経路に使う
根本的には、クモのエサになる虫を減らすことが一番効きます。生ゴミを密閉する、夜は不要な照明を消す、水回りを乾かすといった、他の虫を寄せ付けない対策が、結果的にクモも減らします。
増えるなら別の虫がいるサイン
クモが1匹2匹いる程度なら過剰に心配する必要はありません。気をつけたいのは、クモが次々と現れる、あちこちに網が増えるといった場合です。
クモが増えているということは、それだけ多くのエサ、つまり他の虫が室内にいるということです。クモ自体より、その背後で増えている虫のほうが問題のことがあります。ゴキブリやコバエ、ヤスデなどが見えないところで発生していて、それを追ってクモが集まっている可能性を疑ってください。
コクエイ消毒は、表に出ている虫だけを見るのではなく、何がエサを供給し、どこから入っているのかという根本にさかのぼって考えます。クモが急に増えた家では、調べてみると別の害虫の発生源が見つかることがあります。駆除して終わりにせず、再発しない環境をつくることを大切にしてきました。対応は大分県を中心に、福岡県・佐賀県・熊本県の一部まで行っています。クモの増え方が気になるときは、背後の虫も含めて点検を検討してみてください。
クモは嫌われがちですが、家の小さな虫を黙って減らしてくれる働き者でもあります。慌てて全部退治する前に、まず家の中の虫を減らすことから始めてみるのがおすすめです。
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